規則正しい生活をしているつもりでも、不意にできてしまうニキビ。無理につぶすわけにもいかないだけに、できてしまったらとても厄介ですよね。実はニキビは腸内環境と密接な関係があるといわれています。腸内環境を整えることは、健康のためのみならず、美容にとっても非常に効果的。特に乳酸菌は、そんな腸内環境にとっての救世主にもなってくれる存在です。
ここでは、乳酸菌で腸内環境を整えて、ニキビを撃退するための方法論についてご紹介するので、ニキビで悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
思春期にできるニキビとは違う?大人ニキビとは

ニキビと聞くと、思春期の肌によく発生するできものを連想する人も多いのではないでしょうか。確かに、ニキビといえば、思春期にできるあの赤いブツブツが一般的によく知られていますが、大人でもさまざまな原因からニキビが肌にできてしまうことがあります。
思春期にできるニキビと大人ニキビは、実は発生するメカニズムが異なっており、思春期ニキビが皮脂の過剰な分泌による毛穴詰まりが原因であるのに対して、大人ニキビの原因は主に肌の古い角質が蓄積してしまうことで発生するといわれています。
肌の細胞というのは、いわゆるターンオーバーによって常に刷新されているのですが、年齢を重ねるごとにこのターンオーバーは徐々に鈍っていきます。そうすると、古い角質が剥がれ落ちずに残ってしまい、蓄積することで毛穴が塞がれてしまうのです。
また、お肌が乾燥していることも、大人ニキビを発生させる原因の1つです。蓄積された古い角質は、乾燥すると堅くなります。そうすると、角質はなかなか除去しづらい頑固な汚れとなり、そうして塞がった毛穴の中にアクネ菌が繁殖して大人ニキビが形成されてしまうというわけです。
思春期ニキビの場合は洗顔をしっかり行い、肌を清潔に保つことである程度抑制することができますが、大人ニキビは肌を清潔にするだけでは完全に予防することが難しいといわれています。睡眠習慣などに気をつけて、日々の生活を見直すことも心がける必要があります。その中でも、特に気をつけたいのが食生活です。食生活の乱れは腸内環境に大きな影響を与えます。ニキビを予防・改善するためには、まず腸内環境を整えることを考えてみてください。
腸内環境の悪化がニキビの大きな原因になる

腸内環境は人間の免疫システムに大きく関わっています。腸内環境の乱れは免疫力の低下を招きますが、特に便秘は人間の免疫力にさまざまな影響を与えます。便秘というのは便がすでに排出できる状態に形成されているにもかかわらず、それが体内に滞留してしまう状態のことをいいます。
しかし、便がこのように身体の中に残っている状態が続くと、便から有害物質が排出され、それが身体に吸収されてしまいます。こうした有害物質は、胃腸の悪玉菌を増やし、善玉菌を減らすという働きを持っており、有害物質のこうした作用が人間の体調を悪化させてしまうことがあるのです。
特にその影響を受けるのはお肌です。腸内の悪玉菌が優勢になると、有害物質を排出することに余計な時間を要することになります。すると肌の新陳代謝、すなわちターンオーバーが鈍り、肌にたまった汚れを除去することが難しくなってしまうのです。
こうした肌に汚れがたまると、それが大人ニキビの原因になってしまいます。それから、ビタミン不足も大人ニキビの原因の一つです。特にビオチンと呼ばれるビタミンは肌の細胞を活性化させる働きがあるとされていますが、このビオチンは腸内の善玉菌を餌にすることで活発に働いてくれます。
しかし、便秘によって腸内の善玉菌が減ると、ビオチンの働きも鈍るため肌細胞が活性化できず、その結果ニキビの症状が出やすくなってしまいます。このように、腸内環境が悪化すると、肌にさまざまな悪影響を与えることになります。悪玉菌の増加は肌老化の主因ともいわれる活性酸素の発生も促してしまうため、ニキビを撃退するためにはまず腸内環境を整えるということが何より重要なのです。
乳酸菌を摂取してニキビを撃退しよう
腸内環境を整えるためにおすすめなのが乳酸菌です。乳酸菌には腸内の悪玉菌を撃退する効果があるとされています。悪玉菌は腸内環境を悪化させる元凶のような存在ですが、乳酸菌はこうした悪玉菌に働きかけて腸内から追い出してくれる効果が期待できます。また、乳酸菌は腸内に生きたまま到達することで、胃腸の働きを活発化してくれる効果もあるといわれています。
胃腸がきちんと機能することは、便秘を解消することにもつながるでしょう。それだけでなく、乳酸菌は腸内を弱酸性に保ってくれるため、悪玉菌の働きを抑制するだけでなく、腸内に発生した有害物質の活動を抑える働きも期待されます。こうした乳酸菌のさまざまな働きによって、身体の新陳代謝を高めてニキビ予防にも貢献してくれるのです。
こうした乳酸菌を効率よく腸内に摂取するためには、乳酸菌が豊富に含まれている食材を積極的に摂取することが大切です。たとえば、ヨーグルトに乳酸菌が豊富に含まれていることは良く知られていますが、それ以外にも味噌や漬物などの発酵食品、またオリゴ糖や食物繊維などにも乳酸菌がたくさん含有されています。
ただ、乳酸菌が含まれている食材であっても、それが生きて腸まで届いてくれないと意味を持ちません。ヨーグルトであれば、ビフィズス菌などは胃酸に弱く生きて腸まで届きにくいといわれています。そのためヨーグルトの場合は、プロバイオティクスなど、生きて腸まで届くタイプの乳酸菌配合の商品を選ぶ様にすると良いでしょう。
一方、味噌や漬物などの植物性乳酸菌は胃酸に強い性質を持つといわれており、腸内環境を整えるためにおすすめです。もしニキビに悩んでいるというなら、保湿などお肌の手入れをするだけでなく、こうした菌活を通じた腸内環境の整頓にぜひ取り組んでみてください。