現代病の1つともいわれる花粉症。特に春先のスギ花粉が飛ぶ季節には、毎年マスクや専用のゴーグルが手放せないという方が増えています。近年は多方面から花粉症の研究が進み、食事の内容や工夫次第で症状の緩和に役立つことが少しずつわかってきました。
さらに、花粉症を悪化させるような食べ物の存在も注目されています。そこで食事という観点から、花粉症対策の対策と簡単な食事のおすすめレシピについてお話しましょう。
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食品には花粉症を悪化させたり改善させたりするものがある
普段なにげなく口にしている食べ物の中にも、花粉症を悪化させたり改善させたりするものがあります。まずはどのような食べ物が花粉症を悪化させるのかを最初にご紹介しましょう。高タンパク、高カロリーの食事を毎日のように摂取すると、やがて免疫機能が過剰に働き過ぎて、花粉のような病原菌以外のものにも体が過剰な反応を起こすようになります。
花粉症で悩む方の場合、毎日の食事を見直し、高タンパク、高カロリーの食事を避けるようにすれば、やがて正常な免疫機能を取り戻すことができる可能性があります。また、トマトやナス、ホウレンソウ、タケノコなどヒスタミンを多く含む食べ物も、生で食すると花粉症を悪化させてしまう危険性があります。
ヒスタミンは加熱すれば分解されますので、ヒスタミンを多く含む食べ物を食べるときには必ず加熱するようにしましょう。さらに、マーガリンやファストフード、加工食品などに含まれるトランス脂肪酸には、粘膜や細胞膜を弱め、鼻水やくしゃみの原因を作る作用があります。
ハムやソーセージなどの加工食品に含む亜硝酸塩も、過敏性を高めるような刺激効果があるので気をつけましょう。
青魚で免疫力UP!炒め物にもそのまま食べても
青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)には免疫機能の働きを正常化し、アレルギー症状を抑える働きがあります。また、これらには鼻詰まりを起こす原因であるロイコトリエンの発生を抑制する働きがあります。
ロイコトリエンは、細胞膜の脂肪酸が変化してできる物質で、DHAやEPAはロイコトリエンの原料である脂肪酸に置き換わるため、ロイコトリエンの発生を防ぐことができます。DHAやEPAの一番効率のよい摂取方法は、青魚を刺身や寿司のように加熱せずに生で食べる方法です。
これらは加熱によって酸化が促進され、過酸化脂質という物質に変化してしまいます。とは言うものの、炒めものや焼き物、煮魚の場合でも、加熱によってすべてDHAやEPAが失われてしまうことはありません。
焼き魚にした場合、DHAやEPAは約20%減少してしまいますが、サンマの場合でも1匹で1日目標摂取量が十分に確保できます。DHAやEPAは魚の油の中に多く含まれていますので、なるべく油を落とさないような料理を工夫しましょう。
青魚を簡単に摂取する料理は、サバの水煮缶やツナ缶を使ったカレーが簡単です。ツナ缶を利用する場合は、オイル含有の少ないものを選びましょう。青魚カレーの作り方は以下の通りです。
材料は、サバ缶もしくはツナ缶、タマネギ、ニンジン、ショウガ、ニンニク、市販のカレールー(分量はすべて普通のカレーを作るときと同じ)。まずは、タマネギやニンジン野菜を適度な大きさにカットし、サラダオイルで炒めます。
続いて魚の生臭さを消すためのショウガやにんにくの摩り下ろしを入れます。少々炒めた後に缶詰を汁ごと投入し、水を加えます。ひと煮立ちしたら、市販のカレールーを入れて完成です。
生やジュースで召し上がれ!シソで症状緩和!
シソに含まれる成分にも花粉症効果があると注目されています。シソにはα-リノレン酸という成分を含み、この物質は体の中でイコサペンタエン酸に変化します。このイコサペンタエン酸がアレルギー症状を緩和し、花粉症予防に強力な働きをしてくれます。
シソには赤シソと青シソがありますが、効果が高いのは赤シソの方です。赤シソが手に入る6月~8月の時期にはぜひ赤シソを大量に購入し、シソジュースを作って保存しておきましょう。赤シソジュースの作り方は以下の通りです。
材料は、赤シソ30枚~50枚程度、砂糖100g~150g、クエン酸適量。鍋に1リットルのお湯を沸騰させて、良く洗ったシソの葉をすべて入れて3~4分煮ます。シソだけを取り出して砂糖を加え、火を消してそのまま静かに冷まします。冷めたところでクエン酸を好みの酸っぱさになるまで入れます。清潔な保存用のビンに移し変えれば、そのまま冷蔵庫で1週間ほど保存できます。
粘膜回復に役立つ納豆は丼物や麺類、炒め物などバリエーション豊富
納豆に含まれるビタミンB2の抗炎症作用や粘膜を正常化させる働き、亜鉛のタンパク質や傷ついた粘膜の修復、セレンの免疫機能を正常化する働きや、アレルギーを起こりにくくする働きがあり、花粉症でお悩みの方に効果がある食べ物です
納豆を使った料理は、丼物や麺類のトッピング、炒め物などバリエーション豊富にあります。今回は簡単にできる納豆料理の1つで、納豆の天ぷらのレシピをご紹介いたしましょう。材料は納豆3パックに対し、小麦粉200g、卵1個、塩少々、しょうゆ少々。まず天ぷらのタネを作ります。
小麦粉、卵に水を適量加え、そこに塩を加えます。タネは小麦粉と卵を使用するかわりに市販の天ぷら粉を利用してもOKです。最後にしょうゆを入れてよくかき混ぜた納豆をサクっと混ぜ、油でカリッとするまで揚げたら完成です。好みでタネの中に長ネギの小口切りを入れてもいいでしょう。
食べるときは天つゆかしょうゆをつけていただくか、麺類のトッピングとして納豆の天ぷらを乗せても美味です。このように花粉症の症状は、普段摂取する食べ物からでも緩和できます。花粉症になったからといってあまり薬にばかり頼らず、花粉症対策にいいといわれる食べ物を進んで摂取してみてはいかがでしょうか。