鼻がムズムズして鼻水が止まらない、目がかゆくておかしくなりそうなどといった症状で苦しめられる花粉症。毎年、花粉症のシーズンがやってくるのを恐れているという人もいるのではないでしょうか。花粉症を緩和させる治療方法には薬物療法もあります。
しかし、病院で診察を受けたり薬を飲んだりすることに抵抗を感じている人もいることでしょう。そこで今回は、毎日の生活の中で自然に摂取できる食べ物から症状の緩和効果が期待できる栄養についてまとめました。
食事から免疫力を高めることができる!
同じ量や同じ種類の花粉を浴びたり吸ったりしても花粉症の症状が出る人と出ない人がいます。症状が出る人の中でも、その強弱は人それぞれに異なることでしょう。花粉症はスギやヒノキなどといった植物の花粉が原因となりアレルギーの症状が出る病気です。
花粉症の症状の有無や強弱はアレルギーの原因となる花粉に対しての反応の有無や強弱に比例しています。このため、症状の原因となっている花粉に対するアレルギー反応を緩和させることで花粉症の症状が出るのをおさえる効果が期待できるのです。
アレルギーは花粉が体内に入ろうとする際に働く免疫力が過剰に活発化すると反応を起こします。通常の状態であれば害のない花粉に対して体が反応し、花粉を外に排出しようと鼻水や涙などが出る症状です。
無害である花粉に対して過剰な反応をしてしまうのは免疫機能が低下しているということであるため、アレルギー症状を緩和させたい場合には、誤った反応を行わないように免疫機能を上げる、つまり免疫力を高めることが有効な手段のひとつであるとされています。
花粉症の症状を毎日の生活から緩和させたいという人は食生活を見直し、免疫力を強くするための栄養を積極的に取り入れるように心がけることがおすすめです。
果物や野菜に豊富なビタミンCは活性酸素を取り除く
免疫力アップの妨げとなるもののひとつに活性酸素があります。活性酸素は呼吸により吸収した酸素の一部により体内で生じる酸素で、他のものを酸化させる力が強いです。体内に吸収した細菌などから体を守り、害となるものを追い払ってくれる役割をもっています。
体の健康を保つために重要な役割をもつ活性酸素ですが、その量が適量でないと、逆に体に悪い原因を引き起こす要因となるのです。通常の場合、体を守る助けとなるために適量な活性酸素となるように、酵素によってバランスが取られています。
しかし、活性酸素が過剰に増えて酸化力が通常より強くなってしまうと、発生する活性酸素の処理に酵素が追い付かなくなります。そうなると活性酸素がますます増加し、細胞の老化を促進させて細胞を壊してしまうのです。
健康な細胞が壊れてしまったり傷ついてしまったりすることは免疫細胞の働きを低下させ、免疫力が低くなってしまう原因ともなります。そこで、免疫力をアップさせたいという場合には、活性酸素を取り除き、酸化をおさえる作用をもつビタミンCを摂取することがおすすめです。
ビタミンCは主に野菜や果物に多く含まれている栄養です。水に溶けやすい性質をもっているうえ、熱に弱いため、サラダなどにより生食で食べると良いでしょう。
青魚に含まれるDHAやEPAは免疫機能を整える
必須脂肪酸という言葉を耳にしたことがある人は多いかもしれません。必須脂肪酸とはその名の通り人間の体にとって必須不可欠な脂肪酸です。体内にある細胞から合成されることはなく、食べ物から取らなければ摂取することができないものをいいます。
免疫力をバランス良く維持して機能を整えるために大切な役割をもっていますが、量が足りなくなると細胞の機能が異常を引き起こしたり、血中のコレステロール増加により高血圧症や動脈硬化などの深刻な症状を引き起こしたりするケースもあります。
必須脂肪酸にはいくつかの種類がありますが、中でも知られているのがDHAと呼ばれているドコサヘキサエン酸とEPAと呼ばれるエイコサペンタエン酸でしょう。化学構造の形により分けられた分別ではαリノレン酸とともに「オメガ3」と呼ばれ、コレステロール値を下げたり血流を促したりといった効果が期待できるといわれています。
免疫機能を整えるために重要な必須脂肪酸のひとつであるDHAやEPAは主にサバなどの青魚に多く含まれているため、毎日の食卓に青魚を取り入れてみることも花粉症対策のひとつとなりますよ。
たんぱく質は動物性の取りすぎに注意
免疫細胞の主となる原料となっているのがたんぱく質です。免疫細胞は体を健康に維持するために常に働き、日々消費されています。このため、日々減少してしまっている免疫細胞を補うためにも毎日の食生活の中でたんぱく質を十分に摂取することはとても重要なことです。
しかし、過剰に摂取することで逆に体に悪い影響を与えることもあるため、注意も必要。たんぱく質には動物性と植物性のものとがあります。動物性たんぱく質が含まれているものは主に肉や魚、乳製品です。
一方、植物性たんぱく質が含まれている食べ物にはアーモンドやピーナッツ、きな粉、納豆や豆腐などの豆製品などが挙げられます。通常、摂取されたたんぱく質は体内で合成や分解の行程をたどり栄養として吸収されていきますが、過剰に摂取すると動物性たんぱく質が体に吸収されきれずに残り、小腸で消化されていない状態のまま大腸に運ばれてしまいます。
そして、大腸に未消化のままたどり着いたたんぱく質は悪玉菌の繁殖の元となり、腸内環境を悪化させ、免疫力を低下させてしまうこともあるのです。体にとって大切なたんぱく質の摂取ですが、動物性たんぱく質の過剰な摂取には注意しましょう。
毎年苦しめられる花粉症の症状を少しでも緩和させるためにポイントをおさえることで無理なく取り入れられる食事の改善からまずは試してみるのもおすすめですよ。