日本人の死亡原因の中で高い割合を占める「癌」。その癌の発症を、乳酸菌が予防してくれることを知っていますか。
乳酸菌は免疫力を高めたり、腸の働きを助けたりする善玉菌の一種で、病原である悪玉菌の繁殖を抑える力を持っているのです。
また、乳酸菌は腸内の老廃物を排出したり、栄養素を吸収しやすくしたりするなど、腸内環境を整えてくれます。この腸内環境が健康には大切なのです。
長く健康でいられるように、乳酸菌と腸内環境の関係とその重要性を紹介します。
腸内環境の悪化が癌を招く
腸は食物や水分から摂取した栄養を体に吸収してくれます。また、外界から摂取したものからは栄養素だけでなく細菌やウイルスが入ってくることがあります。そういったものから体を守るのも腸の役目です。
これだけでも、腸が人体の中でどれだけ重要な器官かわかるでしょう。もし腸内環境が悪ければ、これらの働きが鈍くなります。そうなると、さまざまな問題が引き起こされるのです。
例えば、腸には体に不必要なものを体外に便として排出する機能がありますが、その機能がうまく働かず、便秘を引き起こします。腸内に長時間便が残っている状態が続くと腸内の腐敗が進行し、さらに腸内環境の悪化をもたらします。それが最終的に、癌につながる可能性があるのです。腸内環境が悪化する原因にはさまざまなものがあります。
1つはストレスです。過剰なストレスを感じると腸内に悪玉菌が増えてしまいます。実際、緊張するとおなかの調子が悪くなるという人も多いのではないでしょうか。そうして感じたストレスが脳に伝わり、それが腸に伝わってさらに腸内環境が悪化するという負の連鎖が起こるのです。
また、食べすぎも腸内環境を悪化させる原因の1つです。食べすぎると腸の働きが追い付かなくなり、腹痛などの体調不良を引き起こします。逆に過度に食事を抑えると必要な栄養素が足りず、これも腸内環境の悪化を招きます。食生活は癌だけでなくいろいろな病気の原因になるので、バランスよい食事を心がけましょう。
腸内環境を改善に導く乳酸菌
腸内には数多くの細菌が住んでいます。まずは体に免疫力を高め、悪玉菌の繁殖を抑える善玉菌。人の健康を阻害する悪玉菌。そして腸内に最も多く存在する日和見菌です。
腸内環境を健康に保つためには、これら3つの菌のバランスが大切です。善玉菌の力が弱まると悪玉菌が繁殖してしまい、腸内環境が悪化します。そうなると、普段無害である日和見菌も悪玉菌と同じような働きをしてしまうのです。それが癌など大きな病気につながるのです。
悪玉菌、日和見菌に悪さをさせないよう、善玉菌の働きを活発にすることが重要です。そしてその善玉菌の働きを助けるために、乳酸菌を腸内に増やす必要があるのです。善玉菌は加齢により数が徐々に減っていきます。乳酸菌を摂取して善玉菌の力を増やし、腸を元気にしましょう。
乳酸菌が多く含まれている食品
乳酸菌が多く含まれている食品として、ヨーグルトを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実際ヨーグルトは乳酸菌を摂取する食材として優秀です。
多くのヨーグルトに含まれる乳酸菌はビフィズス菌やガセリ菌というもので、善玉菌として有用な働きをしてくれる乳酸菌です。腸内に長く留まってくれる乳酸菌としても注目されています。
また、たんぱく質、カルシウムなどの消化・吸収を助ける働きも持っているので、体調を整える役割も果たしてくれます。さらに、ビフィズス菌やガセリ菌以外にも乳酸菌には多くの種類があり、効能も違います。それを利用して、さまざまな病気や症状に合わせたヨーグルトが販売されています。
腸内環境を整えることはもちろん、風邪の症状改善やストレス緩和などにもヨーグルトは効果が期待できるのです。
また、ヨーグルト以外にも乳酸菌を摂取できる食べ物はあります。例えば、キムチなどの漬物です。
キムチが買ってからしばらくすると少し酸っぱくなるのは、乳酸菌が働いているからなのです。毎日の食事の口直しとして少しでも取り入れるとよいでしょう。
他にも、みそ、しょうゆ、酢にも乳酸菌が含まれています。調味料なので普段の食事に簡単に取り入れることができます。もし忙しくて食事に十分な時間が取れない場合は、乳酸菌が含まれているサプリメントを摂取するという方法もあります。乳酸菌は比較的簡単に摂取できるものなので、普段から意識して体に取り入れるようにするとよいでしょう。
腸をキレイにして健康を保つ
腸内環境を良好に保つことは、毎日の健康を守るうえで非常に大切なことです。腸内環境が悪くなれば便秘の症状やストレスで悩まされるだけでなく、癌などの重大な病気になってしまうことがあります。
腸がいつまでも元気で働いてくれるように、普段から乳酸菌を摂取するようにしましょう。ヨーグルトや調味料、サプリメントなど手軽に摂取できるものが多いです。
また、毎日の食生活には気を使いましょう。偏ったメニューや食べすぎ、過度の拒食は腸内環境を悪化させ、さまざまな病気の原因になります。バランスの良い生活と乳酸菌の力を合わせれば、長く健康でいられるのではないでしょうか。