食物アレルギーは、特定の食べ物を摂取すると身体にさまざまな症状があらわれるアレルギーの一種です。アレルギーを引き起こすとされている食べ物は27品目が確認されており、食品に使用されている際は原材料表示に記載があります。アレルギーを持っている場合は、発症を防ぐために「どんな原材料が使用されているか」を事前によく確認しなければなりません。この記事では、アレルギーを起こす可能性がある27品目の食べ物と、原材料表示の見方について紹介します。
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食物アレルギーのメカニズム
食物アレルギーは、食べ物に含まれるタンパク質を身体が異物と判断し、体外に排出しようと免疫機能が過剰に働く症状を指します。アレルギーによってあらわれる症状は、じんましん・くしゃみ・血圧低下など食べ物や体質でそれぞれ異なります。重症である場合は命に関わる呼吸困難や意識混濁が起こる可能性もあるので、特に注意しなければならないアレルギーです。
アレルギーを起こす原因の物質はアレルゲンと呼ばれ、身体に害を出さないようにIgE抗体が作られます。身体に無害なタンパク質が吸収された場合は、消化管や免疫の防御機能が働いて、不要なIgE抗体が作られないように制御されている仕組みです。しかし、この仕組みが未熟な体質であると防御機能がうまく働かず、無害なタンパク質に対してもIgE抗体が作られてしまいます。抗体がタンパク質を排除しようとして炎症が起こるのが食物アレルギーの原因です。
アレルギー反応が起こるとされているタンパク質を含む食べ物は限られています。ひとつの食べ物だけでなく、複数の食べ物に対して症状が起こる可能性があるため注意が必要です。
食物アレルギーの原因となる27品目の食べ物とは?
アレルギー反応が出る食べ物は、合計で27品目が確認されています。症状があらわれる人数が継続して多く、該当するアレルギーを持っている体質の場合は、摂取しないように注意しなければなりません。肉類では、牛肉・鶏肉・豚肉・ゼラチンが該当します。魚介類では、あわび・いか・いくら・さけ・さばが対象食品です。果物では、オレンジ・キウイフルーツ・バナナ・もも・りんごがあります。カシューナッツ・くるみ・ごま・大豆も食物アレルギーを起こす可能性がある食品です。また、山芋・まつたけにもアレルギーを発症させる物質が含まれているため気を付ける必要があります。
これらの食べ物は摂取に注意すべき食品として、原材料を表示するように推奨されています。必ず表示しなければならないという義務は定められていないため、食品によっては記載がない場合もあります。原材料を確認できない状態で提供された食品や、原材料表示がない食品には特に注意が必要です。発症を防ぐため、安易に口にする前に必ず確認するようにしましょう。
特に注意すべき7品目とは?
食品アレルギーを起こす食べ物のなかでも、特に発症数が多く重症になりやすい食べ物は7品目あります。それらは「特定原材料」として、使用した原材料を表示することが義務付けられている食べ物です。多くの食品に使われており、口にする機会が高い食べ物としては「小麦」「卵」「乳」が挙げられます。パンや菓子類にはこの3品目が使用されているため、摂取を控えなければなりません。また、魚介類では「えび」「かに」が該当します。「えび」や「かに」は素材そのものだけでなく、着色料として使用されている場合もあるので原材料の詳細をよく確認する必要があるでしょう。さらに、「そば」「落花生」も特定原材料に含まれる食品です。
アレルゲンを避けるための原材料表示の見方
発症を引き起こす原因となる7品目の「特定原材料」と、20品目の「特定原材料に準ずるもの」は、食品表示法によって原材料表示に記載が定められています。そのため、原材料表示の確認は発症を防ぐために非常に重要です。表示される品目は世情によって改定されていくので、今後さらに増加していく可能性もあります。見逃さないよう普段からチェックを欠かさず行うようにしましょう。
また、原材料表示に該当食品の記入漏れや混入があると、知らずに対象の食べ物を摂取してしまいアレルギーを発症してしまいます。記入漏れは、加工した食品を原材料に使用している場合に起こるトラブルです。使用した加工食品にアレルギーの原因となる食べ物が含まれていても、原材料表示に記載されていなければ見落として記入漏れが起こります。
混入は、意図せずに原材料が混ざってしまったときに起こるトラブルです。被害を避けるためには、パッケージに記載されている表示に注目します。「同じラインで○○を含む商品を製造しています」「○○が混ざる漁法で漁獲しています」という表示が記載されている場合は、特に気を付けましょう。
外食にも要注意!隠れたアレルゲンを避けよう
食品アレルギーは、食べ物に含まれているアレルゲンに対して免疫が過剰に反応する現象によって起こります。自分で食品を購入する際は、原材料表示をよく確認したり製造元に問い合わせたりすることで発症を防ぐことが可能です。しかし、外食時など自分で原材料を確認できない場合は特に注意する必要があります。事前に店舗へ使用の有無を確認するなどの工夫を行って、アレルギーの発症を防ぎましょう。
アレルギー症状のメカニズムや対処法:アレルギージャーナル